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non-hackerの日記

IT以外の趣味的な話を書くブログ

日本の議会で、なぜ野党は変なパフォーマンスや審議拒否するのか?システム的に考えてみた

政治


動機

森友問題、盛り上がってますね。政争は面白いとは言えども(失礼)、野党のパフォーマンス的な議会戦術に嫌気が差している人も多いのではないでしょうか? このエントリはある方のツイートに影響を受け*1、「いやいや、それは彼らも考えた上でやってるんだ」という結論に持っていくためのものです。

ツイ

togetter.com

政治的なルール・システムを再考する

与「こんな法律必要やと思うんやが」
野「そうするとこんな弊害が起きるしここ直したらどや?」
与「ええやん」

上記のような議論を審議と呼びます。ただし、結論から言うとどうやら日本はこれをやるような議会制度になっていないようです。残念でした! このエントリでは、この審議の問題点について3つの観点から述べます。それにより、野党の戦術の理解というよりも今後の政治の問題提起をしていこうと思います。

議会のかたち

ネットで調べたところ、議会の形には2種類あるようです。前者がアリーナ型、後者が変換型です。公務員試験を受験する人は知っている人が多いのかもしれません。

以下引用

変換型とは 個々の議員が、社会の要求を、次々に法律へと変換していくような議会のタイプです。典型例は、アメリカ議会です。 アリーナ型とは 与野党が、争点を明確にし、政策の優劣を競うような議会のタイプです。典型例は、イギリス議会です。

ちなみに、日本の議会は、ハイブリッドと呼ばれます。すなわち、両方の性質を兼ね備える議会とされます。

ハイブリッドと書かれていますがそれはタテマエで、私は日本は実質アリーナ型議会だと思います。

このサイトには、それぞれの議会制度における実情が書かれています。

まとめると…

アリーナ型
  • 野党は与党に協力する気はない、次の選挙で勝つために、法案の問題点を徹底的に追及する
  • 与党は多数派であるので、最後は数で押し切る
  • 法案可決率は非常に高い
  • 与野党の決闘であるから、所属議員への党議拘束は絶対である
  • 内閣は議会の信任によって成り立っているので、政府と与党の区別は原則的にない
  • 議員はこうした政党を背景にしているため、国民全体の代表である。
変換型
  • 妥協なしで、与野党の意見が異なると動かなくなる
  • 政治家は徒党を組むことなく、個人で活動する。
  • 各専門委員会において、与野党が協議を繰り返す
  • 三権分立が明確なので、法案提出は立法府にのみ原則的に認められている
  • 大統領はあくまで行政の長である
  • 政府がどうしてもそれを提案したい場合、議員に働きかけて代行してもらう
  • 議員は地元の有権者の代表であり、個人として活動するのだから、党議拘束が弱い
まとめのまとめ

つまり、アリーナ型の議会では野党は審議で法案に影響を与える可能性が0なので、基本的に与党を攻撃して次の選挙での挽回を目指すわけです

  • アリーナ型の議会で野党が審議で法案に影響を与える可能性が0の理由はなぜ?

変換型の議会と違い与党の権限が強いから

これについては、プラス日本独特の審議の仕組みがあるのでそれは後に述べます

考えられる反論について自分の考え
  • 「多数決で決まったのだから、野党は与党に従うべきでは?」

それは一面では正しいですが、最初の問題「なぜ野党は変なパフォーマンスや審議拒否するのか?」は解決しません。 野党は次の選挙で勝つか・世論に影響を及ぼすことでしか予算や法案に影響を及ぼせないからです。あと、全体主義的でコワイです。

  • 「ちゃんと審議をやっていたほうが評価が高いのになぜそうしないのか?」

国民がそういうものをみているかと言うと多分見てないと思います。 しかも審議しても野党の意見は通らないのです、反抗するのはいつ?今でしょ! ただ、この私の意見は留保付きで、もし国民が審議をちゃんと見てて、それに対して世論として反応することができればこれは戦術としてアリだと思います。 まあ土台無理なんですけどね。。。 そして、これを読んであなたに思ってほしいことは「そうか!じゃあ審議を見よう」ではなくて「ルールがおかしくね?」です。 日本人は決められたルールで動くことは得意だが、決められたルールのフェアさや何がおかしいか感じる心は薄いと思う、個人的に。

とりあえず、この節の結論

野党の審議拒否など、国会での嫌になる政争を見たくないならば根本解決のために議会制度を変換型に変えていってはどうか

立法について日本独特の仕組み

次に、上の流れと関連して、立法について日本独特の仕組みがあることを知ったので紹介しておきます。

参考リンク

注目してほしいのは、与党「事前審査・承認」制度です。 これはガチで教科書に載ってないけど国会の実運用でなされていることのようです。

与党「事前審査・承認」制度とは?

政府が国会に提出した法案に対して、一部省庁と与党の自民党側が反発し、法案審議に入れなかったのがきっかけで、池田内閣時代の1962年2月23日に赤城宗徳自民党総務会長が政府(大平正芳内閣官房長官)に対して「法案提出の場合は閣議決定に先だって総務会に連絡を願いたい」という文書を出し、内閣が応じる形で導入され、1970年代後半に現在の形式が出来上がった。その拘束力の強さは、同じ議院内閣制をとる他の先進国に比べても例がないといわれている。

要は法案は審議の前に与党内で調整され、内閣はそれがないと法案を成立させることができない。プラス、これは審議の形骸化をもたらしている。

「事前審査・承認」制度の問題点

上のリンクの要約です

1.国会審議の儀式化
2.内閣は与党の承認がなければ法案を提出できない

つまり、仮に変換型議会になったとしてもこの制度がある限り活発な審議なんてありえないということなのです。最初の問題とつながりましたね。

三権分立

最後に三権分立の話、これは知ってる人が多いかもですが自分は知らなかったのでついでで紹介しておきます。

途中で引用した、 アメリカは変わったのか 佐藤清文 を復習してみましょう。

アメリカの政治は…
  • 三権分立が明確なので、法案提出は立法府にのみ原則的に認められている
  • 大統領はあくまで行政の長である
  • 政府がどうしてもそれを提案したい場合、議員に働きかけて代行してもらう
これを日本の制度と比べてみましょう…
  • 法案提出は立法府にのみ原則的に認められている
  • 内閣総理大臣はは一応行政の長であるであるが、実際立法の指示を行うだろう
  • 政府がどうしてもそれを提案したい場合、議員に働きかけて代行してもらう

議院内閣制では三権分立は難しかったのだ…

これを書いた感想: 「ぜんぜんわからない、俺達は雰囲気で政治を見ている」

*1:ただ、その方がツイートの転載を禁じているので色々自分でも考えて付け足しています